日本在宅ケア学会誌
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訪問看護のやりがいと訪問看護師の「2.5人称の立ち位置」との関係
須田 彩佳
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2021 年 25 巻 1 号 p. 94-102

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抄録

目的:訪問看護師の「2.5人称の立ち位置」と訪問看護のやりがいとの関係を明らかにすることを本研究の目的とした.

方法:訪問看護師341名に無記名自記式質問紙調査を行った.調査内容は,属性,訪問看護のやりがい,須田・河口による訪問看護師の「2.5人称の立ち位置」尺度とした.分析は,訪問看護師の「2.5人称の立ち位置」尺度と訪問看護のやりがいとの関係についてSpearman順位相関係数を用いて検討した.

結果:255名の回答を得た(回収率74.8%).対象者の6割以上が訪問看護にやりがいを感じ,訪問看護は魅力的な仕事であり,訪問看護の仕事が好きであると回答した.訪問看護のやりがいと訪問看護師の「2.5人称の立ち位置」尺度全体との間には比較的強い正の相関(ρ=.488~.366,p<.001)がみられ,特に専門職として冷静さと客観的な視点をもつ人ほど,訪問看護にやりがいを感じていた(ρ=.527~.396,p<.001).

結論:専門的知見から状況を冷静に判断しケアする人ほど,訪問看護のやりがいを感じていた.訪問看護師は専門職として,利用者・家族に心から寄り添い心理的な近さを抱く態度や姿勢を持ち合わせることが訪問看護のやりがいの維持・向上につながると推察された.

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© 2021 一般社団法人日本在宅ケア学会
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