日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
研究報告
慢性閉塞性肺疾患療養者の終末期における療養経過と訪問看護師の支援
梅津 千香子
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 25 巻 2 号 p. 165-173

詳細
抄録

本研究は,COPD療養者の終末期における療養経過と訪問看護師の支援内容を明らかにすることを目的とした.対象はCOPD療養者の終末期における訪問看護を経験した訪問看護師8名,平均訪問看護師経験年数は13.8年(SD±4.8)であった.質的記述的に分析した結果,訪問看護師の支援は[安定期から継続して行う支援]と[終末期を予測して行う支援]の側面があった.[安定期から継続して行う支援]は【急性増悪の予防法と徴候を繰り返し伝える】,【在宅酸素療法の正しい使い方を生活に組み入れる】,【呼吸リハビリテーションを継続して呼吸機能を維持する】,【セルフケアを支えて安定した日常生活を維持する】の4カテゴリーが抽出された.[終末期を予測して行う支援]は【訪問回数を増やして呼吸困難の増強を抑える】,【訪問看護チームや訪問診療医と連携して心の安定をはかる】,【最後まで生き続けるための希望をつなぐ】,【希望する終末期の療養を実現する】の4カテゴリーが抽出された.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人日本在宅ケア学会
前の記事 次の記事
feedback
Top