日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
総説
心不全在宅療養者を対象とした専門職による遠隔モニタリングのヘルスアウトカムへの有効性:システマティックレビューとメタアナリシス
猪飼 やす子根岸 由依加藤 エリカ石川 和枝原田 智世亀井 智子
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2022 年 25 巻 2 号 p. 77-92

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抄録

【目的】心不全在宅療養者への専門職による遠隔モニタリング支援の心機能,救急受診等のヘルスアウトカムへの有効性をシステマティックレビューとメタアナリシスにより評価する.

【方法】系統的レビューを行った.適格基準は①ランダム化比較試験,②成人・高齢慢性心不全在宅療養者,③専門職が遠隔モニタリングを行う,④対照群は遠隔モニタリングを行わないとした.日本在宅ケア学会ガイドライン作成委員会活動として実施した.

【結果】34研究が採択された.盲検化の他バイアスリスクを認めた.支援内容は,看護師等による症状カウンセリングや患者教育であった.介入群は,心機能分類が有意に低かった(p=.0002).アドヒアランス,救急受診,在院日数,入院回数,生活の質,コストには差を認めなかった.

【結論】心不全在宅療養者への遠隔モニタリング支援は,心機能への有効性が示唆されたが,エビデンスの確信は限定的である.

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© 2022 一般社団法人日本在宅ケア学会
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