2025 年 29 巻 1 号 p. 49-58
[目的]在宅認知症高齢者を対象とした通所施設における認知リハビリテーションが,これを受けない統制群と比較して臨床指標を改善するかについて明らかにする.
[方法]PRISMA statementによるシステマティックレビューとメタアナリシスを行った.適格基準は,①ランダム化比較試験,②対象者が65歳以上の自宅療養中の認知症高齢者,③通所施設における認知症リハビリテーションの介入,④アウトカムが認知機能やADL,QOL,BPSDのいずれか1つ以上を含んでいることとした.
[結果]採択文献は11研究であった.MMSEをアウトカムとしたメタアナリシスの結果,介入群で有意な改善を認めた.その他,ADLやQOL,BPSDへの改善効果は明確ではなかった.
[結論]在宅認知症高齢者を対象とした通所施設における認知リハビリテーション介入は認知機能の改善に有効であるが,エビデンスは限定的である.