日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
研究報告
訪問看護へ移行し2年以上経験した訪問看護師における自律的判断の様相
仁科 祐子谷垣 靜子長江 弘子岡田 麻里
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 29 巻 1 号 p. 80-88

詳細
抄録

本研究の目的は訪問看護へ移行し2年以上経験した看護師における自律的判断の様相を明らかにすることである.訪問看護師8名に半構造的面接を行い質的記述的に分析した.結果,訪問看護師の自律的判断は【身体と生活について利用者と共に悩み考えながら折り合いをつける】【体調変化時は身体状態を推論し今できる最善の対応を決定する】という利用者の身体と生活の両方を護り,折り合いをつける判断をしつつ,他の看護師や多職種と主体的に情報共有し,最善の判断を導くことであった.これらの判断には,【利用者の生活状況を詳細に知る】【利用者の思い・生活・人生を重視する】ことが必要であり,【批判的に省察し判断材料となる経験知を増やす】ことは自律的判断力向上のために重要であった.訪問看護師の自律的判断は,身体と生活の折り合いについて利用者と共に悩み考えながら,他の看護師や多職種と主体的に情報共有し,最善の判断を導くことであった.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人日本在宅ケア学会
前の記事 次の記事
feedback
Top