2000 年 4 巻 1 号 p. 24-30
24時間巡回ヘルプには,ヘルパー単独の体制と訪問看護ステーションと連携した看護婦・ヘルパー協働の体制がある.後者には看護職による日中・早朝・準夜・深夜帯の訪問,看護職とヘルパーの密接な連携が含まれる.協働のあり方とその影響を検討するため,都内のヘルパーステーションから2タイプの例を選び,利用者の実態と両者の差異を比較した.
その結果,単独体制では協働体制よりも利用者の自立度が高く,独居が多かった.在宅死亡者の出現率には両群で差がなかった.単独体制では,窒息,急変などケアプラン上想定されていない在宅死が多かった.協働体制での在宅死亡者は全員ターミナルステージで,ケアプランでも配慮されていた.利用者の変化に速やかに対応し,今後増加する医療処置,ターミナルケアに対応していくために,24時間巡回ヘルプは,看護職とヘルパーが密接な連携をして行う必要がある.