2000 年 4 巻 1 号 p. 47-53
本研究の目的は,急性期病院において,ディスチャージプランニングを必要とするハイリスク患者を判断するためのスクリーニング票の開発である.方法は,平成7年から9年に対象病院に入院し,ディスチャージプランニングを受けた100名の患者の条件分析に基づき,17のスクリーニング項目を選定した.次にディスチャージコーディネータと病棟看護婦が,平成10年5月から1か月,全入院患者361名に行ったスクリーニング項目内容の一致率の比較を行い,スクリーニング項目の精選を行った.同じく平成10年11月の2週間に入院した全患者176名を対象とし,ディスチャージコーディネータと病棟看護婦によるスクリーニング項目内容の一致率の比較から,スクリーニング票の利用可能性の検討を行った.その結果,スクリーニング項目13項目中,3項目に該当する患者をハイリスク者とした.この項目によってディスチャージプランニングを要すると判断された各患者は,臨床的判断とつき合わせても妥当であることが確認され,スクリーニング票として利用できることが明らかになった.