2000 年 4 巻 1 号 p. 54-61
本研究の目的は,病棟看護婦による退院計画の展開と,それに影響する要因との関連を明らかにするために調査を実施して,病院内支援の有効性を検討することである.研究対象は,平成10年および平成11年に退院計画を展開した看護婦86名である.調査方法は,展開状況と影響要因からなる質問紙を作成し,留め置き調査を実施した.因子分析により,展開状況と影響要因を構成する各2因子を特定し,因子間で相関をみた.次に,意識的に病院内の支援体制強化をはかった平成11年度と,平成10年度の結果を比較した.結果,退院計画を展開している看護婦に対する支援を強化することは,看護婦が積極的に様々な資源を獲得しようとすることを促し,カンファレンスの企画・運営やケアプランを策定していくことを促す可能性が示唆された.