本研究の目的は,高齢者を看取り終えた直後の「介護者の満足度」の構造を明らかにすることである.方法は,訪問看護を受けた後,自宅または自宅以外で死亡した65歳以上の利用者704人の「介護者の満足度」を示す発言内容の記載文を内容分析の手法で検討した.
その結果,満足度の構造は,①在宅療養開始時から死に至るまでのプロセス,②「死の迎え方」,③死別に対する意味づけ・解釈,に分類された.構成要素として①では「本人の自宅での過ごし方」「介護への評価」「サポートを評価」,②では,「安らかな死」「予期せぬ死」「見守りの中での死」「死にかかわる対応をした罪責感」「死亡場所の評価」など,③では,「介護者の死に対する肯定的な意味づけ」「死に対する尽きない思い」が抽出された.
「介護者の満足度」は,①高齢者本人の満足度をある程度反映すると思われる要素と,②介護者自身の介護への評価と,介護者の死別の準備に関する要素からなることが示唆された.