2013 年 8 巻 1 号 p. 117-130
目的:「中学校保健室登校支援」における「養護教諭の認識プロセスとその影響要因」を明らかにすることを目的とした。
方法:「中学校保健室登校生徒」が「発達上、好ましい方向に向かっていると養護教諭が判断した」16事例をM-GTAにより分析した。
結果と考察:「中学校保健室登校支援」において、養護教諭は生徒理解が《深まり》、生徒の〈意思尊重〉をしながら〈支援範囲〉と〈優先順位〉の《見極め》を行う【判断プロセス】と生徒の《ステップアップの期待》と生徒に寄り添いながら支援をしていく《伴走者》としての思いを包含した【成長へのまなざし】を照らし合わせながら、支援を行っていた。また、【スクールメイト要因】は、生徒の《心理的変容》と《登校行動の変化》を包含した、養護教諭による生徒の【変化への気づき】に影響しており、これが新たに【判断プロセス】に至るというプロセスを経ていた。