日本ヒューマンケア科学会誌
Online ISSN : 2436-0309
Print ISSN : 1882-6962
研究報告
地方と都市部における中学生の主観的健康観と生活習慣の比較
谷川 涼子古川 照美倉内 静香清水 亮戸沼 由紀鈴川 一宏
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2020 年 13 巻 1 号 p. 30-38

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抄録

 本研究では地方と都市部における中学生の主観的健康観と生活習慣について比較し、生活習慣病予防対策に示唆を得ることを目的に、アンケート調査を行った。アンケート項目に欠損値があるものを除外し、地方415名、都市部524名について分析した。主観的健康観について、自分の体調を「よくない」と回答した生徒は、地方の男子2名、女子5名、都市部の男子20名、女子19名と都市部の生徒が有意に多かった。元気と捉えていた生徒を「健康」、元気でないと捉えていた生徒を「非健康」とし比較した結果、男子は地方において朝食欠食や通塾、平日の睡眠時間、都市部はスマートフォンの所有、女子は都市部において就寝時刻や平日の睡眠時間が関連していた。生活習慣と生活時間の地域による比較では、男女ともに22時前に就寝する、ゲーム習慣のある生徒は地方が多かったが、スマートフォンの所有や通塾は都市部が多かった。生活時間は、都市部の女子は運動時間や休日の睡眠時間が短く、勉強時間が長くなっており性別や地域により差がみられた。そのため、地域や性別に配慮した健康教育の必要性が示唆された。

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© 2020 日本ヒューマンケア科学学会
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