日本ヒューマンケア科学会誌
Online ISSN : 2436-0309
Print ISSN : 1882-6962
研究報告
入院している子どもをもつ家族の特徴
―家族機能とソーシャルサポートに焦点をあてて―
梅田 弘子中村 由美子杉本 晃子赤羽 衣里子内城 絵美澁谷 泰秀
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2009 年 2 巻 1 号 p. 41-48

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抄録

 本研究は、入院している子どもをもつ両親と養育期にある両親の自己効力感、QOL、家族機能を比較すること、子どもの入院に付き添う母親のソーシャルサポートについて分析することから、入院している子どもをもつ家族の特徴を明らかにし看護への示唆を得ることを目的とした。調査対象は、東北地方のC市にあるD病院小児科病棟に入院する患児の家族 (父親・母親) と東北地方A町の6歳以下 (就学前) の子どもをもつ養育期にある家族 (父親・母親) である。結果、次のことが明らかとなった。1) 入院している子どもをもつ家族は、養育期にある家族と比較して、『家族機能』の「コミュニケーション」を高めることで対処していることが推測され、この傾向は父親と子どもにきょうだいがいる場合に顕著であった。2) 子どもの入院に母親が付き添っている家族の場合、父親は家族内役割の変化を求められそれに対処しながら、母親のサポートも求められる状況にあることため、子どもの入院に伴う父親へのサポートの実際を明らかにし、援助していく必要がある。3) 子どもの入院に付き添う母親は、友人から普段と比べて情緒的サポートを有意に多く得ており、付き添う母親にとって友人からの情緒的サポートが重要な意昧を持つことが明らかとなった。

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© 2009 日本ヒューマンケア科学学会
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