A県の障がいをもつ子どもの家族の家族機能を評価してその特徴を明らかにし、障がいをもつ子どもの家族への看護に示唆を得ることを目的として、障がいをもつ18歳未満の子どもの両親を対象に、「自己効力感」「QOL」「家族機能」の測定尺度を用いた調査とソーシャルサポートについて調査を行った。その結果、障がいをもつ子どもの家族機能においては両親ともに家族の情緒的機能である「絆」が最も高く、重要な機能であることが明らかとなったが、『家族機能』の「役割分担」において健康児の母親に比べて、障がい児の母親が有意に低かったことから、障がい児の母親は健康児の母親よりも「役割分担」が十分でなく、障がい児の母親が家族の中で多重役割を担い、疲労していることが推測された。『QOL』における「収入」が著しく低く、その理由としてはA県県民の所得の低さに加え、障がい者自立支援法の施行に伴うサービス費用負担が、経済的負担をさらに重くしていると考えられた。ソーシャルサポートについては、障がいをもつ子どもの家族は、近隣住民や職場の人などからはあまりサポートを得られていない可能性が示唆され、親の会などのサポートグループに関する情報提供の工夫や、同じ病気や障がいをもつ子どもの親同士の交流の機会をもつなどの支援の必要性が示唆された。