目 的
本研究の目的は,助産学実習において学生が困難に感じた体験とレジリエンスの構成要素を明らかにすることである。
対象と方法
大学専攻科に在籍しており,助産学実習の単位を修得している助産学生を対象とした。インタビューガイドを用いて半構造化インタビューを実施し,得られたデータから逐語録を作成し質的記述的に分析した。本研究は,茨城県立医療大学研究倫理委員会の承認を受けて実施した(承認番号810)。
結 果
研究参加者は12名であった。学生が助産学実習で困難に感じた体験として,【未熟さによる不安や恐怖】【支持してもらいたい人達からのネガティブな対応】【昼夜を問わない責任を伴う実習への適応の難しさ】の3のコアカテゴリーが生成された。また,助産学実習における学生のレジリエンスの構成要素として,【感情調整】【支援者の存在の認識】【人間関係の構築】【知識・技術の向上】【気分転換】【目標とする助産師像の形成】の6のコアカテゴリーが生成された。
結 論
助産学実習において学生は様々な困難を体験していたが,複数のレジリエンスを用いながら実習に適応し,困難な状況を乗り越えていた。実習指導者や教員には,レジリエンスの構成要素が効果的に働くような学生との関わりや教育的配慮が求められると考えられた。