日本助産学会誌
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親としての発達に関する研究
1歳半児をもつ父親の育児家事行動の観点から
日隈 ふみ子藤原 千恵子石井 京子
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キーワード: 父親, 発達, 育児家事行動
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1998 年 12 巻 2 号 p. 56-63

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抄録

初めて親となった父親の発達について, 母親の発達との比較と父親発達への影響要因を明らかにすることを目的に研究を行った. 調査は子どもが1歳半になった時期に父親と母親に対して別々に実施し, 分析対象は両親の回答がそろった178組 (有効回答率45.8%) とした. その結果, 以下のことが明らかとなった. 父親の育児家事行動の中で, 子どもに話しかける・だっこする・遊び相手になるや, 母親への精神的援助など比較的行動しやすい行動得点は高いが, 子どもへの具体的な世話や家事行動の得点は低かった. 親としての発達に関する因子得点は両親とも高く,「生き甲斐・存在感」因子はどちらも第1位であったが, 2位以下には父母間に違いがあった, 父親と母親の因子得点の比較では, 母親のほうが父親よりすべての因子で高かった. 父親の発達には父親の役割観と育児家事行動の行動得点の高低が影響しており, 母親の父親に対する育児家事行動の期待度は影響していなかった.

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