日本助産学会誌
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褥婦の退院後の生活イメージと
その形成にかかわる要因の分析 (1)
片桐 麻州美松岡 恵
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キーワード: 褥婦, イメージ, 生活時間
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2000 年 14 巻 1 号 p. 14-23

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抄録

本研究は, 褥婦が形成する退院後の生活イメージおよびその形成にかかわる要因を明らかにすることを目的とし, 正常に経過した褥婦44名を対象に, 3回の面接を行い, イメージと実際の生活時間を生活時間調査票に記入してもらった。分析は, 褥婦が時間を追って記入した1日の行動を5項目に分類し, イメージと実際の生活時間の差, 対象背景との関連について統計的に処理し, 生活イメージの形成にかかわる要因を考察した.
その結果, 褥婦は退院後の生活について育児時間以外はほぼ実際の生活に近い生活イメージの形成ができており, 特に退院直後は多くの場合, サポートを得て, ほぼイメージどおりの生活が実際にできていた。1か月健診後の褥婦の生活では家事時間はイメージどおり増加したうえ, 育児時間はイメージより有意に増加し, 睡眠, 休息時間の減少をまねいていた。さらに, 生活イメージ形成要因として, 褥婦の育児経験や児の栄養方法, 退院後のサポートが考えられた。

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