日本助産学会誌
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生後4か月の子どもの夜間における睡眠と気質
江藤 宏美堀内 成子
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キーワード: 気質, 睡眠, 子育て
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2000 年 14 巻 1 号 p. 24-34

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抄録

本研究の目的は,(1) 生後4か月までの子どもと養育者の夜間における睡眠の実態について, 養育者が育児を困難に思う気持ちとの関連性を探ること,(2) 生後1か月の子どもの気質について, 養育者が「扱いにくい」と認識する行動の特徴を把握することである。1か月から4か月の子どもを育てている母親に質問紙を依頼し, 有効回答数239 (有効回答率69.9%) を得た。
今回の結果から, 以下のことが明らかになった。
1.夜間に子どもの入眠潜時 (ぐずってから寝入るまで) の時間が長い群においては, 母親は「途方に暮れ」,「困惑して」おり, 子どもを扱いにくいと感じていた。
2.STAIによる状態不安得点から平均±1SDをもとに3群に分類し, 子どもの「扱いにくさ」との関連をみると, 不安の高い群に子どもを扱いにくいと認識している母親が有意に多かった。
3.子どもの気質において,「扱いにくい」と認識されたのは5つのカテゴリー (接近性, 適応性, 強度, 機嫌, 散漫性) で有意な差が認められた。特徴としては, 新しい刺激に対してしり込みし, 環境の変化に慣れにくく, 大きな声で泣くといった反応の強さ, また泣きやつまらなそうな行動が多くみられ, なだめにくく反応が鈍いという行動であった。

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