日本助産学会誌
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初乳中分泌型IgAと分娩時ストレス状態との関連
立岡 弓子
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キーワード: 初乳, 分泌型IgA, ストレス
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2000 年 14 巻 2 号 p. 39-47

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抄録

正期産で健康な児を出産した129名の母親を対象に, 産婦の分娩時ストレス状態について, 分娩ストレス因子・身体的条件・ストレス感受性・性格から多次元的に評価し, 初乳中の分泌型IgA (Secretory IgA: S-IgA) 濃度との関係を検討した。初乳中S-lgA濃度は, 最小値13mg/dl, 最大値5860mg/dl, 平均値1223mg/dl, 中央値621mg/dlと大きな個人差がみられた。ストレスを感じやすく, 産後の性格傾向が不安定であり分娩時のストレスを強く受けた母親から分泌された初乳中S-IgA濃度が, ストレスを感じにくく, 性格傾向も安定しており分娩時のストレスも少なかった母親から分泌されたものよりも, 有意にその濃度が高かった。

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