日本助産学会誌
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分娩の直接介助者に関する全国調査
出生証明書との比較
島田 三恵子神谷 整子中根 直子戸田 律子縣 俊彦竹内 正人安達 久美子
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キーワード: 分娩介助, 助産婦, 全国調査
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2001 年 15 巻 2 号 p. 15-21

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抄録

日本における分娩の直接介助者の実態を明らかにすることを目的として, 全国47都道府県から層化無作為抽出法により, 大学病院, 一般病院, 産婦人科診療所, 助産所の合計232か所で, 平成11年6-9月に出産した入院中または1か月健診に来所した褥婦10,268名を対象に, 最も長く産婦の傍にいた医療者および分娩の直接介助者等に関して, 任意回答により自記式アンケート調査を行った。その結果, 8,224名の有効回答が得られた。経膣分娩の産婦7,215名の傍に最も長くいた医療者は助産婦で6割を占め, 助産所では9割であった。帝王切開を含む全分娩数の医師による分娩介助は43.1%, 助産婦52.4%であった。助産婦による分娩直接介助は正常分娩の63.2%であった。本研究の分娩介助率は, 同年の医療者を対象とした調査の分娩介助率と近似していたが, 同年人口動態統計の出生証明書に基づく医師による出生立会率97.2%, 助産婦による2.8%とまったく乖離している事実が明らかになった。

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