日本助産学会誌
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学生の適応からみた助産学教育の検討
三井 政子菅沼 美奈子田中 恵子永見 桂子小木曽 みよ子
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1988 年 2 巻 1 号 p. 54-59

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抄録

近年, 母子保健問題の多様化により助産婦教育の課題は増大している。助産婦教育課程は, 1年の修学期間で過密状態を脱皮できず苦慮している。そこで全国国立大学助産婦教育機関16校, 292名を対象に, 教育計画と学生の在学中の適応との関係を調べ, 教育計画を検討する目的で昭和56年度~58年度の入学期, 中間期, 卒業期にCornelMedicalIndexとManifestAnxietyScaleおよびアンケートを実施した。
その結果, 学生の入学した学校に対する評価の度合いを学生の適応評価とするとき, 適応は入学動機が強い学生ほど評価が高く, 夜間実習, 実習と講義の組み合わせ方, ストレスの有無には関係がなかった。また調査時期別ストレスの原因は,「課題が多い」が常時1位で中間期が最高となるが,「疲れる」や「友人関係」は特に入学期が高かった。CMI領域, MAS段階の分布などには有意差を認めなかった。時期別変動では, CMIの神経症傾向領域, MASの高不安段階が中間期に多く, 卒業期, 入学期の順に減少していた。なお, CMI神経症傾向群の学生にはMAS高不安段階が有意に多かった (P<0.001)。
本調査の結果を踏まえて, 学習意欲をもって学習効率を上げられるように教育計画について検討した。

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