日本助産学会誌
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妊娠期における睡眠の主観的評価に関する研究
堀内 成子近藤 潤子大川 章子石井 ひとみ大久保 功子
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1988 年 2 巻 1 号 p. 42-53

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抄録
本研究は, 妊娠の進行に伴う睡眠の変化を明らかにするために, 妊婦の睡眠の主観的評価を分析することを目的に行った。調査票は「入眠および睡眠中の関連因子群」,「起床時の関連因子群」,「睡眠全体の満足度」,「睡眠に関する影響因子」を含めて構成し、289例の妊婦から有効回答を得た。
その結果, 妊娠の進行に伴う変化では, 初期には非妊期に比べて途中覚醒が多く,「眠い」という睡眠に対する欲求が強く現れていた。中期になると, 初期に比べて睡眠に対する欲求は落ち着きを示していた。末期になると, 寝つきが悪くなる・眠りが浅くなる・時間が不足する・途中覚醒が多くなるという状態から, 睡眠全体に不満感が高まるという関係が示された。
初産婦では, 妊娠初期に夜中の途中覚醒に対して「いやだ」という否定的な回答が多く, 妊娠が進行するにつれて, その比率は減少していた。
影響因子として, 妊娠に伴う身体変化のほかに, 家庭のサポートが認められた。
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