植物研究雑誌
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第100 巻記念論文
岐阜県から発見された新種ネオタネツケバナ
矢原 徹一 廣田 峻布施 健吾佐藤 広行高橋 弘社川 武徳陶山 佳久
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2025 年 100 巻 3 号 p. 204-214

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抄録

岐阜県においてタネツケバナ属 Cardamine(アブラナ科)の未記載分類群を発見した.この分類群の正体を明らかにするために,MIG-seq を用いてタネツケバナ属 19 種の高精度の系統樹を構築した.その結果,この未記載分類群は北海道産のエゾノジャニンジン C. schinziana O.E.SchulzとエゾワサビC. yezoensis Maxim.に近縁であることが判明した.本種は 2‒7 対の側小葉を持ち,側小葉の下縁にのみ浅い切れ込みがある点でエゾワサビよりもエゾノジャニンジンに類似している.しかし,本種は地上茎(細い円筒形で高さは 17 cm 以下,対してエゾノジャニンジンでは太く稜があり,高さ 20‒50 cm),葉の長さ(6 cm 以下 vs. 10 cm 以上に達する),小葉柄(1‒2 mm vs. ほぼ無柄),根茎(短い vs. 長く横に這う)の特徴でエゾノジャニンジンから区別できる.これらの証拠にもとづき,新種ネオタネツケバナ Cardamine neoensis Yahara, sp. nov. を記載する.

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