これまで青森県のみから記録されていたオソレヤマオトコイSchoenoplectiella ×osoreyamensis (M.Kikuchi) Hayasaka が新たに福島県北塩原村と山形県酒田市山谷新田の水湿地から記録された.北塩原村は本雑種の日本における最も南に位置する生育地である.本種は,横断面が三角形の太い稈および果実の倍長の刺針状花被片を有するカンガレイと横断面が円形で細い稈および果実よりやや長い刺針状花被片を有するミチノクホタルイとの推定雑種であり,カンガレイとホタルイとの推定雑種シカクホタルイ(サンカクホタルイ)に似るが,より太く柔らかい稈および多くの小穂と長い刺針状花被片を有する点で異なる.