死の臨床
Online ISSN : 2434-9089
Print ISSN : 0912-4292
調査報告
終末期がん患者による闘病記における「歩く」意味についての質的研究
添田 遼田島 明子
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ジャーナル 認証あり

2023 年 45 巻 1 号 p. 145-151

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抄録

目的:終末期がん患者の「歩く」意味を質的研究により探索することである。対象と方法:終末期がん患者の手記を対象とし,ライフチャートの作成を行い,「歩く」ことに関する記載からその意味の検討を行った。結果:乳児期,学童期,青年期,成人期の各時期における身体状況や信念,心情を整理し,「歩く」意味を明らかにした。がんの病期によって意味は異なり,「しっかり大地についていく感覚」が得られ「ありがたさ」を感じられるものであったり,「未来に向かっていこうとする志向性」「仕事をする」「みんなはよろこばないすばらしいこと」であったりした。考察:「歩く」意味は,「自身が大切にする信念を実行する意志」とまとめられた。

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© 2023 日本死の臨床研究会
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