2024 年 8 巻 1 号 p. 22-29
悪液質は体重減少,炎症状態,食欲不振を主徴候とした代謝異常であり,CKD患者の栄養障害(protein-energy wasting;PEW)およびサルコペニアの原因となる。PEWと悪液質の診断基準では体重減少が共通するが,PEWでは≧-5%/3ヵ月または-10%/6ヵ月であるのに対して,Asian Working Group for Cachexia(AWGC)の悪液質診断基準では≧-2%/3~6ヵ月に設定されていることから,AWGS基準の方が早期発見に優れる。保存期CKD患者では,AWGC基準の体重減少率が有用であるが,透析患者ではより軽度の体重減少率から生命予後に影響する。一方,AWGS基準のBMI(<21 kg/m2)については,妥当性は明らかではない。
CKD領域では悪液質の有無は十分に評価されていないことから,悪液質の病態を解明するため,さらなる臨床研究が必要となる。