2024 年 8 巻 1 号 p. 34-39
肝臓は栄養およびエネルギー代謝において重要な臓器であり,その機能低下により低栄養状態や骨格筋萎縮(サルコペニア)が引き起こされ,悪液質につながる。サルコペニアは慢性肝疾患に伴う慢性炎症や高アンモニア血症によって増悪し,患者のQOLおよび予後を悪化させる要因となる。そのため,肝硬変をはじめとする慢性肝疾患患者においては,栄養状態およびサルコペニアを適切に評価して栄養療法などを行う必要がある。近年増加傾向にある過栄養に関連した脂肪性肝疾患に起因する肝硬変では,体重は減少せずともサルコペニアを合併し,肝硬変とサルコペニアがお互いに負の影響をおよぼし合うことで病態がさらに悪化する。肝臓と骨格筋それぞれの機能改善だけでなく,肝筋連関に注目した治療法の開発が望まれる。