悪液質は,慢性疾患に関連する代謝の不均衡で,体重減少,炎症状態,および/または食欲不振を伴う。アジア人における悪液質の診断には,西洋人との体組成の違いを考慮する必要がある。本稿では,アジア悪液質ワーキンググループ(Asian Working Group for Cachexia; AWGC)が提唱する悪液質診断基準の策定プロセス,悪液質の定義,診断基準,重要なアウトカムについて概説する。2023年に発表されたAWGC基準は,慢性疾患の存在,体重減少や低body massindex,食欲不振,低握力,高CRP値を診断要素としている。この基準は,アジア人の体組成を考慮したものであり,悪液質の早期発見と適切な管理を通じて患者の予後改善に貢献することを目指している。AWGC基準は臨床応用と普及を念頭に置いている。今後の臨床研究によってアジアにおける悪液質診療の活性化が期待される。