悪液質に対する栄養療法は運動療法・薬物療法と並び,患者の生活の質(QOL)向上に不可欠である。多くのガイドラインでは,集学的アプローチの重要性が強調されている。悪液質患者はしばしばサルコペニアや低栄養を併発し,これらの状態の早期発見と介入が重要である。そして,悪液質は慢性炎症を伴う疾患に関連した低栄養の1つとして考えられており,栄養状態の評価にはGLIM基準が推奨される。本稿では,がん,慢性心不全,閉塞性肺疾患,慢性腎臓病で認める悪液質に対する栄養療法について,現在のエビデンスをまとめた。エネルギーの充足と高品質のタンパク質の摂取は重要であり,不足時は経口栄養補助食品等を用い,筋肉量減少を予防することが必要である。現時点では,悪液質患者を対象とした研究は少なく,長期的な効果は不明である。今後のエビデンス構築が期待される。