2024 年 8 巻 1 号 p. 61-65
悪液質は,慢性疾患に伴う消耗性の疾患であり,食欲不振や体重減少が主要な問題となる。がん悪液質の薬物療法の進展が注目されており,食欲増進や筋肉増強作用をもつアナモレリンや,食欲不振治療に有用なオランザピンなどが患者の症状改善に寄与する可能性がある。さらに,GDF-15経路を標的としたPonsegromabのような新規薬剤も悪液質治療の新たな選択肢として期待されている。悪液質の診断には体重減少率やBMI,骨格筋量,身体機能を用いたステージ分類が重要であり,早期に集学的治療を開始することが望ましい。しかし,薬物療法単独では限界があるため,栄養療法や運動療法などの非薬物療法との組み合わせが重要である。薬物療法を含む集学的治療を開発することが今後の課題である。これらの成果は,非がん疾患による悪液質にも応用される可能性があり,治療法の発展に向けた期待が高まっている。