日本サルコペニア・フレイル学会誌
Online ISSN : 2759-8829
Print ISSN : 2433-1805
原著
高齢経カテーテル大動脈弁置換術後患者の自宅退院予測における術前栄養リスク評価の有用性
吉村 有示宮川 幸大野田 喜寛大塚 守正吉田 典子
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キーワード: 高齢TAVI, GNRI, 自宅退院
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2024 年 8 巻 1 号 p. 80-89

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抄録

[目 的]

80歳以上の高齢経カテーテル大動脈弁留置術(以下,transcatheter aortic valve implantation;TAVI)患者における術前Geriatric Nutritional Risk Index(以下,GNRI)による栄養リスク評価の有用性を明らかにすることを目的とした。

[方 法]

2017年1月から2019年12月で待機的にTAVIを施行した80歳以上の317名を対象とし,自宅退院可否と術前GNRIの関連を検討した。

[結 果]

本研究対象の68.7%がJ-CHS基準においてプレフレイル以上に該当した。自宅退院可否を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析の結果,GNRI(OR:0.943,p=0.003),女性(OR:4.740,p=0.002),麻酔の種類(OR:5.480,p<0.001)が抽出されたが,身体的フレイルを示す所見は抽出されなかった。Receiver Operating Characteristic(以下,ROC)解析にて,自宅退院可否を予測する術前GNRIのArea Under the Curve(以下,AUC)は0.728,カットオフ値は93で,自宅退院の割合は67%(GNRI<93)vs. 91.9%(GNRI≧93)であった。

[考 察]

身体的フレイルの有病率が高い80歳以上の高齢TAVI患者において,栄養リスク評価であるGNRIは身体機能評価より自宅退院の優れた予測因子となる可能性が示された。

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© 2025 一般社団法人 日本サルコペニア・フレイル学会
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