2025 年 9 巻 1 号 p. 35-39
心不全患者に対する心臓リハビリテーション(以下,心リハ)は生命予後改善のほかに身体機能の改善やサルコペニアやフレイルの予防にもつながる。医療機関で実施する監視型の心リハはエビデンスも確立されているが,通院の煩雑さなどから外来での通院型心リハの普及は非常に低い。近年ではネットワーク環境やデジタルデバイスをはじめとした情報通信技術(ICT)の発展や進歩によって,遠隔での同時双方向のコミュニケーションや生体情報の遠隔管理が可能となった。これにより,通院型の心リハと同様の運動療法や療養指導,患者教育を含めた包括的な管理が遠隔心リハとして実現可能となった。遠隔心リハでは通院型心リハと同等もしくはそれ以上の効果が期待でき,心不全管理におけるサルコペニアおよびフレイルの介入にも大いに役立つと考えられる。さらに,AIの技術を遠隔心リハに応用することによって安全かつ効率的な心リハにつながり,遠隔心リハの更なる普及にも期待が寄せられる。