2004 年 13 巻 1 号 p. 19-31
資金不足や人材不足などの問題を抱えている中小企業が情報化を進めるにあたって,コンサルティング企業やアウトソーシング企業などの外部組織の活用に期待が寄せられている。その一方で,コンサルティング企業などが思いどおりの成果を上げない,との報告がみられ,さらには社内の人材を活用することが効果的である,との報告もみられる。これらの議論から,資金や人材不足といった問題を抱える中小企業が,どのように社内や社外人材を活用しながら情報化を推進していくのか,との疑問が生じる。そこで本研究では,中小企業の情報化において,「資金不足と人材不足」から「教育とシステム運用への社内と社外人材活用」を介して「情報化の効果」へ至る因果関係を明らかにすることを目的とし,アンケート調査で得られたデータを分析し,検討する。
その結果,社内人材を情報システムの運用に活用し,社外人材を情報化教育に活用することは効果的であるが,社外人材を情報システムの運用に活用することは問題を悪化させる可能性があることが明らかにされた。また,社内人材の活用には人材不足が影響していることが明らかにされた。