経営情報学会誌
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論文
技術導入を考慮した製品開発代替案の評価と選択
石田 勇矢日下 泰夫
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2004 年 13 巻 3 号 p. 9-25

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抄録

近年,企業が必要とする全ての技術を自社単独で開発することは非常に困難であり,製品開発において外部の技術を積極的に導入することが重要な課題となりつつある。しかしながら,このような戦略的な意思決定に関する定量的な研究はほとんど行われていない。本研究では,製品開発における技術導入代替案選択の問題に定量的な手法を導入することによって,技術導入選択に対する分析・考察を試みる。その狙いは,新規なモデルや新技法を提案することにあるのではなく,技術導入という戦略的な意思決定が既存のモデルの適用によって定量的に評価可能であること,さらに,分析を通じて技術導入に関する重要な洞察が得られることを明らかにすることにある。具体的には,コア技術を除く各要素技術に対して「自社開発」と「技術導入」の代替案を想定し,それらを組み合わせて選択する製品開発の問題を考える。この問題に対して,日下らのプロトタイプモデルを適用し,定式化する。次いで,最適解の効率的な解法として本研究で使用される分枝限定法の概要を説明する。最後に,製品開発における技術導入の効果と重要性を定量的かつ視覚的に分析する。すなわち,最適パフォーマンスに対する技術導入代替案のパフォーマンスの割合を示す「技術導入指数」を定義し,その挙動をコスト制約,時間制約,コンカレント度という3つの要因との関連で考察する。想定され得る6つのケースに対する数値解析の結果,技術導入が効果的となる諸状況がこれらの諸要因によって説明づけられることを明らかにした。

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© 2004 一般社団法人 経営情報学会
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