1997 年 6 巻 2 号 p. 33-50
昨今の社会は、インターネットに代表されるような、高度情報化社会であると言われ、バーチャル・コミュニティーに代表されるように社会、集団が自己生成されている。また、情報システム(データベースなど)を使用することによる大量な情報の共有が可能となっている。それでは自己生成される集団間に形成される境界の形成は、どのようなメカニズムによるものであろうか? 地理的制約の消滅、情報の共有は境界形成に影響を与えるのだろうか? 本研究では、このような疑間に答えるために、コミュニケーションにより境界形成していく基礎的なモデルとして、エージェント間相互作用モデルを構築した。このモデルをもとに、情報共有をしない個人記憶モデル、集団内で情報共有をする対人交流的記憶モデル、データベースの使用により全ての人と情報共有する外部記憶モデルを構築し、計算機シミュレーションにより、境界形成過程などの考察を行なつた。その結果、境界形成過程が明らかになり、対人交流的記憶モデルにおいて境界形成過程が他のモデルと大きく異なることが明らかになった。