2013 年 27 巻 2 号 p. 77-82
ショックを伴う重症外傷患者に対する蘇生の考え方は世界的に近年大きく変化してきている. すなわち, 出血性ショックに対する大量輸液から最小限の輸液と早期からの新鮮凍結血漿や血小板の比率を高めた大量輸血プロトコールの導入へ, また正常血圧を目指した循環管理から重篤な臓器障害をきたさない範囲での低血圧の許容へ, 凝固因子枯渇が明らかになった時点での補充から受傷早期より生じる凝固・線溶異常に対する介入へ, 初回よりの決定的手術から蘇生を目的とした初回簡略化手術やIVRの導入と2回目の決定的手術を柱とした初期治療への変化である. このような外傷蘇生の実践には, 各専門医などの人材を含めた医療資源の集約化が必須であり, 本邦でも欧米並みの外傷センター・外傷診療システムの構築が期待されるところである.