日本外傷学会雑誌
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症例報告
鈍的外傷後の遅発性副腎破裂の一例
佐藤 啓太浦城 淳二楠田 司
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2019 年 33 巻 4 号 p. 409-412

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抄録

 Gerota筋膜に包まれて後腹膜腔に存在する副腎は, パッキング効果が働きやすいため, 外傷性副腎損傷例の多くは自然止血が得られる. 症例は85歳男性. 鈍的外傷による十二指腸損傷疑い, 右副腎損傷, 第1–4腰椎右横突起骨折で入院となった. 保存的加療としたが, 入院20日目に突然発症の右側腹部痛と血圧低下を認めた. 造影CT検査で遅発性副腎破裂に伴う出血性ショックと診断し, 緊急経カテーテル的動脈塞栓術を行った. 副腎の遅発性破裂は過去に報告例がなく, まれな経過であるが, 迅速な診断と止血治療が必要である.

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© 2019 一般社団法人 日本外傷学会
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