論文ID: 37.3_03
17歳, 男性. 野球の練習中に受傷. 腹痛が持続するため, 近医受診. CTにて膵損傷が疑われ当院へ紹介搬送となった. 当院搬送時, 全身状態は安定していたが, CT所見にて主膵管損傷の有無が判別困難であり, 同日緊急で内視鏡的逆行性膵管造影 (以下 : ERP) を施行した. ERPの結果, 主膵管損傷が明らかとなり, そのまま損傷部位よりも尾側の膵管まで内視鏡的経鼻膵管ドレナージ (以下 : ENPD) チューブ留置が可能であったため, 非手術療法を選択した. その後は増悪することなく経過し, ENPDチューブ抜去から退院に至った. 主膵管損傷を伴う膵損傷に対する非手術療法の報告は散見されるが, 非手術療法の際には, 受傷早期の主膵管損傷の診断および適切な膵管ドレナージが肝要と考えられた.