論文ID: 37.4_01
37歳男性が交通事故で受傷した. 骨盤骨折に伴う出血性ショックに対しresuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta (REBOA) で出血を制御した. 造影CTで腹腔内と後腹膜に出血を認め, 緊急開腹ではS状結腸間膜根部および深部の後腹膜からの出血をガーゼ圧迫で一時的に出血制御した. 治療戦略を切り替え, 開腹術を中断しtranscatheter arterial embolization (TAE) による両側の内腸骨動脈の本幹塞栓後に手術を再開した. 三度の開腹術とTAEを経て止血し得た. 腹腔内と後腹膜に出血を認めた本例の腹部・骨盤外傷で, REBOA, damage control surgery, damage control interventional radiologyによるダメージコントロール戦略が救命に有効であった.