1997 年 11 巻 1-2 号 p. 9-28
本論文では、選択行動に関するオペラント研究における最近の展開が概観される。特に、対応法則、遅延低減仮説、セルフ・コントロール、および、リスク選択に関連する研究に重点が置かれる。これまでに提案された選択行動のモデルのいくつかは、人間以外の動物(ほとんどの場合、ハト)を被験体として行われた研究から得られたデータをうまく記述することができるように思われる。だが、人間を被験者として行われた研究から得られたデータのなかには、それらのモデルによって説明することができないものもある。従って、選択行動の定量的なモデル化に関する今後の研究は、人間と人間以外の動物の差異の説明に取り組んでいかなければならないことが示唆される。