行動分析学研究
Online ISSN : 2424-2500
Print ISSN : 0913-8013
ISSN-L : 0913-8013
発達障害児の衝動性とセルフコントロール(<特集>選択行動研究の現在)
嶋崎 まゆみ
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 11 巻 1-2 号 p. 29-40

詳細
抄録

セルフコントロールのパラダイムを用いた選択行動の研究は、近年動物や健常者の基礎研究が盛んに行われているが、発達障害児を対象とした研究はきわめて少ない。注意欠陥多動性障害および自閉性障害の子どもたちは、多動性と衝動性を主要な症状として持っている。したがって、そのような子どもたちの衝動性とセルフコントロールに関する実験的な研究は重要であろう。本稿では、それらの研究を次の2つの観点に基づいて概観した。すなわち、(1)衝動性の測定と評価に関する研究、(2)セルフコントロールの研究から得られた訓練手続きに関する研究である。さらに、発達障害児にセルフコントロールのパラダイムを適用する際の問題点について論議した。主な論点は、言語教示に関する問題、強化子の査定、満足の遅延パラダイムとの関係の3点であった。

著者関連情報
© 1997 一般社団法人 日本行動分析学会
前の記事 次の記事
feedback
Top