行動修正という分野が存在するためには, 社会的に重要な行動修正の実践を行動修正家に力づけるためのコンテクストが必要である。このコンテクストとして, 人間は「行動存在の場」であるという人間観と, その行動は徹底的に環境の随伴性によって制御されるという立場をとることが有効である。さらに, このコンテクストを基礎に, 社会的に機能するレベルの行動修正を確立するために, 行動修正家を取り巻く環境随伴性とその随伴性を変容するための自己環境変容スキルについて分析する。さらに行動修正の価値を, 社会的妥当性に関する言語行動の分析によって考察する。本論文は, 行動修正を存在させ, 行動修正家を力づけるコンテクストに関して, ひとりの行動修正家の視点から一貫した考え方を述べる。