抄録
研究の目的本研究では、見本合わせ訓練に対応しない共通ネーミングが刺激等価性の成立に及ぼす効果を調べた。参加者21名の大学生を参加者とした。介入全ての参加者が、見本合わせ訓練とネーミング訓練を受けた。ただし、ネーミング訓練によって形成される刺激クラスは、見本合わせ訓練によって形成される等価クラスに対応しなかった。M群の参加者は見本合わせ訓練を先に受け、ネーミング訓練を後に受けた。N群の参加者はその逆の順序でこれらの訓練を受けた。行動の指標2つの訓練の後に行われた見本合わせテストで、見本合わせ訓練に基づく反応とネーミング訓練に基づく反応のそれぞれの出現率を測定した。結果12名の参加者が、テストのほとんどの試行でネーミング訓練に基づく関係を示した。一方、テストのほとんどの試行で見本合わせ訓練に基づく関係を示した参加者は3名であった。結論これらの結果は、刺激等価性の成立において、見本合わせ訓練よりも共通ネーミングの訓練の方が効果的であることを示している。