行動分析学研究
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ハトによる「線画顔刺激」の年齢弁別
久保 尚也小野 浩一
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2010 年 24 巻 1 号 p. 41-53

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抄録

研究の目的加齢に伴う形態の変化を擬似的に表した動物の顔の線画刺激を使用し、ハトの老若識別について検討した。実験1では老若の弁別が可能であるかを、実験2ではこれらの刺激において移調が生じるかを検討した。研究計画本研究では2刺激同時弁別課題を使用した。実験1では複数の刺激ペアを用いて訓練を行い、テストにおいて訓練で用いなかった新奇な組み合わせの刺激ペアの正立像と、左右を反転(鏡映反転)させた刺激を提示した。実験2では2組の刺激ペアで訓練を行ない、テストとして、S^+もしくはS^-の履歴をもつ刺激同士、新奇な刺激同士、S^+の履歴をもつ刺激と新奇な刺激のペアの計4ペアを提示した。被験体ハト4羽を使用し、若齢S^+群と老齢S^+群に2羽ずつ振り分けた。結果実験1、2の結果から、刺激間にある程度の差異があれば、ハトはこれらの線画刺激を弁別し、部分的に移調を生じさせることが明らかになった。結論ハトは学習により線画顔刺激の老若識別、特に若齢識別が可能であることが示された。

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© 2010 一般社団法人 日本行動分析学会
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