抄録
男子大学生・大学院生を対象に、栄養学的指導と随伴性契約を組合せた減量プログラムを実施した。本プログラムでは減量につながる食事の取り方・運動法を栄養学の専門家より3項目の指示として対象者に与えた。その結果、3名の対象者のうち肥満が軽度な1名は指示を与えただけで食事と運動に改善が認められ、体重も減少した。残り2名も指示項目を遵守することに随伴性契約を導入すると、食事・運動行動は改善され体重が減少した。本研究は食事の取り方と運動を指標とした随伴性契約が、従来の体重を指標とした随伴性契約と同等の効果があることを示すとともに、栄養学の専門家の参加がプログラムに対する対象者の信頼感と安心感を生み出すことを示唆した。一方、一部対象者の保護者からの苦情、及び大学生140名を対象とした質問紙調査の結果から、随伴性契約という技法に対する抵抗感が存在することが示された。