認知行動療法研究
Online ISSN : 2433-9040
Print ISSN : 2433-9075
展望
自閉スペクトラム症と知的障害児者に対するトイレットトレーニングのメタ分析
伊藤 久志菅野 晃子
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 48 巻 2 号 p. 193-203

詳細
抄録

本研究の目的は、行動論的アプローチに基づく自閉スペクトラム症と知的障害児者に対するトイレットトレーニングにおいて、What Works Clearinghouseが作成した「エビデンスの基準を満たすデザイン規準」に従った単一事例実験計画研究を抽出してメタ分析を行うことである。メタ分析に組み入れるために最終的に抽出された文献7本の統合された効果量は0.77[0.66—0.88]であった。標的行動に関して、3種類(排尿のみ/排便のみ/排泄関連行動を含む)に分類したところ、排尿のみを扱った文献は4本該当し効果量は0.88[0.75—1.00]であった。排尿訓練に関する実践研究が進展してきたことが明確となった。今後、エンコプレシスを伴わないケースの一般的な排便訓練をエビデンスの基準を満たすデザイン規準に従って進めていく必要がある。

著者関連情報
© 2022 一般社団法人日本認知・行動療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top