2022 年 48 巻 3 号 p. 235-245
本研究の目的は、認知行動的要因とマインドフルネス特性が認知的反応性に及ぼす影響を明らかにすることと、Major Depression Episode(以下、MDE)未経験者においても、マインドフルネス特性の認知的反応性に対する影響が見られるかを検討することであった。18歳以上の312名を対象に、過去のMDE経験、自動思考、行動活性化、マインドフルネス特性、抑うつ、認知的反応性に関する測定尺度を実施した。階層的重回帰分析の結果、否定的な自動思考を修正することに加えて、自分の考えに対して判断的にならないようにすることや、現在の瞬間に注意を向けながら行動できるようになることで、認知的反応性が低減する可能性が示された。また、マインドフルネス特性を高めることは、MDE経験の有無にかかわらず認知的反応性を有意に低減させるため、初発のうつ病治療においても再発予防効果が期待できると考えられた。