バイオフィードバック研究
Online ISSN : 2432-3888
Print ISSN : 0386-1856
特別講演
長時間心拍変動解析 : その適用と誤用
早野 順一郎
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2019 年 46 巻 2 号 p. 83-90

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抄録

 急速に普及しているウェアラブルセンサによるセルフモニタリングは, 日常活動中のバイオフィードバックの一種と言えるかも知れない. 中でも, 携帯型心電図または脈波からの心拍変動の分析は, 睡眠, リラクゼーション, 運動, ストレスなどのさまざまな条件下の自律機能のセルフ・コントロールに使用されようとしている. しかし, コントロールされた条件下での短時間の心電図によって研究開発されたHRVによる自律神経機能評価の原理が, 自由行動下の日常生活中の長時間心拍変動に直接適用できるかどうかは疑問である. この疑問に対して, 最近の多くの研究は, 否定的な結果を報告している. 日常生活における長時間心拍変動の適用, 分析, および解釈には, もっと慎重になり, より多くの注意を払う必要がある. 逆に, 長時間心拍変動には短時間心拍変動にはない利点もある. それは, 心室性期外収縮や睡眠時無呼吸発作など, 偶発的に発生する生体現象に対する心拍数の応答を利用した反射性自律神経機能の評価である. この論文では, 心拍数と心拍変動に焦点を当てて, 生体信号の長時間モニタリングの課題と有用性について述べる.

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© 2019 日本バイオフィードバック学会
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