日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下幽門側胃切除後に遅発性に発症したY脚吻合部への逆行性腸重積の1例
黒崎 剛史星野 敢桑山 直樹郡司 久高山 亘
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2022 年 83 巻 2 号 p. 336-339

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抄録

症例は54歳,女性.9年前他院にて胃癌,cT1cN0M0,cStage Iに対して腹腔鏡下幽門側胃切除術(Roux-en-Y再建,D1郭清)を施行.その後,度々間欠的な腹痛を自覚していた.来院当日朝から左下腹部に激しい腹痛を自覚し,当院救急外来を受診.来院時,左下腹部に弾性軟の腫瘤を触知し同部位に圧痛あり.造影CTでは空腸に著明な拡張とmultiple concentric ring signを認め,腸重積と診断し緊急手術の方針とした.先進部は輸入脚側に嵌入しており,Y脚吻合部は拡張していた.用手整復を行った後に拡張した重積部位のY脚吻合部を切除し再再建を行った.術後は経過良好にて術後5日目に退院となった.胃切除後患者において腸重積は0.07-2.1%で発生するとされており,稀な合併症である.術後腸閉塞の原因として念頭に置かれることは少なく,病態に関しても明らかにされていない.今回,腹腔鏡下幽門側胃切除術後,遅発性にY脚吻合部へ逆行性腸重積をきたした症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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© 2022 日本臨床外科学会
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