2020 年 47 巻 1 号 p. 5
メディアデザインにコンピュータ技術を活用した 「メディア・アート」 の領域で生体情報センシングに注目し, 優れたヒューマンインターフェースとして筋電センサを四半世紀 (5世代) にわたって開発し, 作品や公演などに活用してきた. 本講演ではまず, これらメディアアートでの事例から筋電情報BFの特長と有効性を確認する. 次いで, 海外から次々に登場してきた筋電センサ群について長所短所を技術的に整理検討しつつ紹介し, 我々VPPプロジェクトが第6世代として2017年に完成・公開した筋電センシングシステム 「VPP-SUAC」 についても, 実用性とシステムデザインの視点からポイントを紹介する. また, 「筋電ジェスチャ認識」 の受託研究において得られた知見から, 筋電BFの新たな可能性として 「癒し」 (内受容感覚) の感覚から情動 (→メンタルヘルス) に繋がるというアイデアについて, 海外の専門家もこの視点に注目していると判明した2018年の世界先端状況 (ICEC 2018 Tutorial) を報告する. そして最後に, 筆者のデザイン教育の場や多くのワークショップにおいて実際に 「メディア・アート」 的な応用システムが実現できてきた事例を紹介して, 有効なシステムの実験/試作が容易になったこの時代, 興味ある方々とのコラボレーションによって新たなBFリハビリテーションを生み出していきませんか, とアピールしてみたい.