2020 年 47 巻 1 号 p. 7-14
現在, 本邦における筋電計の多くは, 診断や研究目的で使用されており, 患者や利用者の手に直接届きにくいツールとなっている. 筋電計が身近なツールとなれば, 運動指導時の共通言語として筋電位情報を活用でき, 日々の臨床の場面で筋電計を使用する筋電図バイオフィードバックを, より多くの環境で実施することができる. また, 健康増進のための運動やスポーツ, 予防医療, 地域でのリハビリテーションなど, さまざまな場面で活用できると予測される.
今回のシンポジウムにおいては, スマートフォン等のモバイル端末を利用して製作できる低コスト簡易筋電計の紹介と, その無線化および性能試験の結果, また, 臨床現場での応用事例, さらに, 教育現場での応用事例として, 低コスト簡易筋電計の製作キットの開発とその運用も紹介した.
このように, 既存のスマートフォンをモニターとして使用することによって, 低価格で, なおかつ操作性が向上した簡易筋電計が, 今後, 本邦において身近な測定ツールとして普及することを期待する. また, 低コスト簡易筋電計に代表されるような, 利用者の手に届きやすい低価格, 操作性, 親和性を備えた簡易機器により, 医療・教育・介護予防やスポーツ現場において, 双方向の “みえる化” が成され, 定量的な運動指導が実施される時代が来ることを望む.